最近話題になることが多い居酒屋でのドタキャン問題。
傍から見ているとなんとなく「前日にキャンセルするなんてあり得ない!」と大口を叩けますが、いざ当事者になってみると結構焦りますよね。
実はわたしも居酒屋の予約を前日にキャンセルしたことがあります。
わたしの時は20人以上の大人数で予約していたのにも関わらず、急遽予定が変わってしまったことからキャンセルしてしまいました。
結果、何事もなく済んだものの、いざその時になってみると「どうすればいいんだ!?」と慌てふためいていたことを覚えています。
居酒屋の予約を前日にキャンセルしてもいいものなの?
キャンセル料は払わなくちゃいけないの?
なかなか経験のない事なのでよく知らないことも多いようです。
・みんな居酒屋の前日キャンセルしてるの?
ネットで検索してみると、けっこう前日に居酒屋キャンセルしている人たちの体験談が出てきます。
キャンセルすることに対しては意見が分かれていますが、意外なことに、
「キャンセル? 余裕余裕。なんなら当日キャンセルでも何の問題もないよ~」なんてアドバイスも多いことに驚きます。
とはいえ、何日も前からしていた予約を前日にキャンセルすることはお店側に迷惑がかかります。
前日に予約をキャンセルするとそのお店にはどんな迷惑が掛かるのでしょうか?
まず一つは食材の問題です。
多くの場合、予約するときに一緒にコース料理も予約することがあると思いますが、
コース料理は通常のメニューにはない食材や仕込みが必要なことが多く、
お店側が前日から前準備をしたり、食材を特別に発注しているものです。
当然コストや手間が掛かっている訳で、その予約をキャンセルされてしまうとその手間もコストもムダになってしまいます。
お店側の迷惑はそれだけではありません。
予約が入ってからそれ以降は、他のお客さんからの予約を断る必要が出てくる場合があります。
当然ですが、先に予約を入れたお客さんの席を確保しておく必要があるので、同じ日に来てもらうお客さんの数には限りが出てきます。
ひどいケースではお店まるごと貸し切りで予約をしていたお客さんに当日キャンセルされてしまうと、
その日はほぼお客さんが来ない状態で当然売り上げもほぼゼロ、なんていう死活問題になることもあり得ます。
・居酒屋にキャンセル料は払わないといけないの?
やむを得ない理由で前日などにキャンセルする場合も、お店側からキャンセル料の支払いを求められることがあります。
キャンセル料についてはお店を予約するときに口頭で説明されたり、お店のHP上に記載があったりしますが、実際はその通りに請求されないことが多いようです。
わたしのときもHP上にはキャンセル料の記載がしっかりあったため、
キャンセルの連絡を入れる前にはキャンセル料を支払う覚悟を固めてから連絡を入れましたが、お店側からは何も請求されないまま終わりました。
お店としては、客商売として営業としている以上、損得を計算してお客さんへの対応を考えています。
キャンセル料を請求するかどうかはお店ごとの判断によりますが、下手にお客さんへ高圧的な態度を取ると、
ネットのクチコミなどで悪口を書かれて評判を落とし、結果的にお店が不利益を被ることもあり得ます。
前日キャンセル自体はお店側にとって痛いですが、損害を最小限に抑えるためにキャンセル料を請求しないお店も多いようです。
だからといって、平気で予約をキャンセルするのはダメです。
「飲食店に予約をして、その予約が完了する」ということはれっきとした「契約の成立」になります。
「予約日時での、飲食店におけるサービス提供の契約の申し込み」と、「飲食店がその申し込みを承諾する」という2つの行為によって、
契約書を作ったり印鑑を押したりしなくても、「サービス提供契約」が成立していることになるのです。
そして契約というものは、解約に関する合意をしていない限り、原則として解約はできません。
キャンセルというのは、「サービス提供契約が成立した後に、予約をしたほうから一方的に契約の解約申し入れをすること」ですから、
そのキャンセルにより飲食店に損害が生じた場合、予約した人はその損害を賠償する義務を負う、ということになります。
ただし、飲食店がキャンセルを承諾し賠償も免除してくれた場合は別です。
こういったことを理由に、キャンセル料を厳しく請求するお店もあることでしょう。
その際にはきちんと事情を説明したうえで、双方が納得する落としどころを探ることになり、訴訟を起こされることも考えられます。
場合によりますが、法的にもお店側はキャンセル料を請求する正当な権利を持っているため、請求されたら断るのは難しいです。
・まとめ
予定が変わってしまい仕方なくキャンセルしなければいけないことはあると思いますが、
お店側には少なからず迷惑が掛かることは事実です。
キャンセル料を支払わないで済むケースが多いのが実情のようですが、お互いになるべく不快な思いをしないような対応を心がけた方が良いでしょう。