1月7日の朝に、お正月の食べ過ぎ飲みすぎで疲れた胃腸を休めるためということで食べる七草粥
そんな七草粥は、妊婦さんが食べても大丈夫なものでしょうか?
七草粥に入れる春の七草のうち、芹、菘(すずな=カブ)、蘿蔔(すずしろ=大根)などは普通に野菜として食べられていますが、
あとの四つ薺(なずな=ぺんぺん草)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、 仏の座(ほとけのざ)は普段は雑草として扱われている野草です。
そんなものが入っている
七草粥を妊婦さんが食べて大丈夫なのでしょうか?
赤ちゃんに影響があったら大変ですよね・・・
そこで今回は、
・七草粥を妊婦さんが食べても大丈夫なのか?
・七草粥の代わりになるもの
この二つについて調べてみました。
・七草粥を妊婦さんが食べても大丈夫なのか?
それぞれの七草に栄養や効能があり、妊娠に効能がある七草もあるようです。
お粥に刻んで入れるくらいの少量摂取では特に問題となる七草は無いようです。
しかし、普段食べない野草が入っているので、心配な方は普段食べない七草をお粥に入れるのは避けたほうがいいかもしれません。
それぞれの七草の主な栄養成分と効能は以下のようになっています。
・芹(せり)
βカロテン、ビタミンA・B2・C、カルシウム、鉄分などを含み、解毒や発汗作用があり、
葉酸も含まれ造血作用があるので、特に妊娠初期の妊婦には勧められます。
・薺(なずな=ぺんぺん草)
カリウム、カルシウム、たんぱく質、鉄、ビタミンB1・B2・B6ビタミンC・K、マンガン、葉酸などの栄養素が含まれます。
血圧を下げる効果のあるアセチルコリンを含んでいるので、ナズナ茶などとして大量に摂取することは妊娠中は避けたほうがよいです。
・御形(ごぎょう)
ビタミンB、マグネシウム、鉄分などの他、抗酸化物質の一つであるグルタチオン、不飽和脂肪酸の1つオメガ3脂肪酸を含みます。
細かく刻んで日干しにすると、咳止めや内臓によい健康茶ができます。
・繁縷(はこべら)
タンパク質や鉄分を含み利尿、浄血、催乳、胃腸炎、整腸作用に効果があります。
・仏の座(ほとけのざ)
食物繊維が多く胃腸の働きを整えます。また解熱や鎮痛作用もあり、
高血圧予防にもなるといわれています。
・菘(すずな=カブ)
根の部分と葉の部分でそれぞれ効能があり、特に葉にはビタミンA、B1、B2、C、カルシウム、鉄、食物繊維が豊富に含まれています。
カブは便秘・胃潰瘍・胃炎・風邪・骨粗鬆症・がんの予防に効果があるといわれています。
・蘿蔔(すずしろ=大根)
ビタミンA、C、食物繊維、ジアスターゼ、アミラーゼ、フラボノイドが含まれています。
根の部分に特にジアスターゼが多く含まれ、食物の消化を促進してくれます
葉にはビタミンやミネラルが多く含まれています。消化不良や二日酔い、頭痛、発熱、冷え性、胃炎、便秘の解消など様々な効能がありますよ。
・七草粥の代わりになるものは?
「普段食べたことのない野草を口に入れることは心配だ。」という妊婦の方は、
食べなれた具材だけで、七草粥を作って食べることもできるようです。
日本各地にはまだ1月7日では「春の七草」が雪の下で採取することができないため、
必ずしも「春の七草」を七草粥に入れていないところもあるようなので、いくつか紹介したいと思います。
中にはお粥ではなく雑炊、汁物や雑煮、煮しめ、菜飯のところもあるようです。
・青森県弘前市
けの汁と呼ばれる「大根、人参、ワラビ、ジャガイモ、ササゲ、凍み豆腐、油揚げ」などを炊き込んだ精進料理
・青森県七戸町
白粥に「ニンジン、ゴボウ、豆腐、こんにゃく、ワラビ、油揚げ、きのこ」の素材を入れたすまし汁を添える。
・宮城県加美町
「セリ、昆布、煮干し、納豆、青菜、凍み豆腐、餅」の七種類の食材を入れた粥
・秋田県大仙市
鳥がらや兎肉でとった出汁をすまし汁にして、「セリ、ゴボウ、ダイコン、タラの芽、キノコ、油揚げ、ネギ」の7種類の具と焼き餅を入れた「ななくさぞうに」と呼ばれる雑煮
・山形県長井市
「おにあい」と呼ばれる「ダイコン、ニンジン、ゴボウ、昆布、凍み豆腐、糸こんにゃく、油揚げ」の7種類の材料を煮込んだ煮しめ
・茨城県稲敷市
「なめし」と呼ばれる青菜を炊き込んだ菜飯
・山梨県山梨市
「ななくさがゆ」と呼ばれる、7種類の材料の粥「大根、ホウレンソウ、餅、小豆、ナズナ米と水」も加えて7種類とする。
・鳥取県大山町
「ななくさがゆ」と呼びセリやナズナ、さらに正月飾りのスルメや昆布、かち栗、干し柿を入れた粥
・島根県出雲町
「ななくさがゆ」と呼ぶ。前日の「大黒様の正月」で供えた野菜や餅を入れた粥で具はダイコン、ニンジン、カブ、セリ、餅がある。
・香川県三豊市
青菜7種類を味噌雑炊にするか、おひたしのままで食べる。 青菜7種類としてダイコン、蕪、白菜、水菜、ネギ、春菊、高菜がある。
・まとめ
七草粥の中に入っている「春の七草」の中には、特に妊婦さんが食べてはいけないものはなさそうです。
しかし、「アレルギーが出るかもしれない」等の普段食べていないものに対する心配がある場合は、
七草粥を作る時に普段食べない野草を入れる代わりに、食べなれているもので7種類の具を用意することもできます。
その際に全国各地で食べられている七草粥や、1月7日の行事食を参考にすることもできます。