故人がはじめて家に帰ってくる初盆。
古くからの風習や決まり事にあまり馴染みがないので、行事があるたびに困りますよね・・・
昔の人に比べて親戚付き合いも深くはありませんし、お金や時間にも余裕がないこともあります。
大抵の行事は、行わなかったり簡略化したりして、現代人の生活に合わせて文化も変化してきました。
お盆もそのひとつです。
初盆には、故人が迷わずに家に帰ってくることができるよう、目印の意味で提灯に火をいれておきます。
この提灯ひとつをとっても、故人の家族が用意するか、親戚が贈るものなのか、細かなルールがあります。
そこで、この記事では、
・初盆の提灯は誰が買うべきなのか
・提灯の種類と選びかた
・初盆の注意点
この3つについて紹介していきます。
・初盆の提灯は誰が買うべき?
「初盆の提灯は誰が買うのか?」という問いにお答えする前に知っておかなくてはならないことがあります。
お盆には、盆提灯と呼ばれる提灯を飾りますが、実は、初盆のときのみ2種類の提灯を用意しなければなりません。
「普通の盆提灯」と「白提灯」です。
「普通の盆提灯」は、家紋や絵柄が描かれている提灯で、帰ってくる故人をもてなす意味で仏間に飾るもの。
「白提灯」は、初盆のときのみに飾る無地の提灯。
故人が迷うことなく家に帰ってこられるように灯す目印の意味で玄関先やお墓に飾ります。
初盆には、この2つの提灯を飾ります。
それぞれ、誰が買うべきなのかを紹介します。
基本的には、
・普通の盆提灯 兄弟や親戚、親しかった人がそれぞれ贈ります
・白提灯 故人の家族が用意するのが一般的。
提灯の数に決まりはありませんが、飾られている提灯が多いほど慕われていたという証拠になるので多いに越したことはありませんね♪
・初盆の提灯の種類と選びかた
提灯には、置くタイプと吊るすタイプがありますが、どちらを飾っても構わないようです。
また、盆提灯はいくつ飾っても問題ありません。
普通の盆提灯は仏間に飾るので、二つで一対。
そのため二つ以上用意するのが一般的です。
ただ、多すぎてもスペースには限りがありますから、
小さくて良い提灯を贈ったり、事前に打ち合わせをして一つの提灯を折半したりすることが多いようです。
折半する場合や、誰が贈るのか分からない場合には「御提灯料」として不祝義袋にお金を包むのが良いでしょう。
・初盆の注意点
①御提灯料の相場と包む際の注意点
御提灯料として、お金を包む際の相場は、故人や故人の家族との間柄により変わります。
・近い親戚や兄弟…1~2万円
・遠い親戚、関係の浅い親戚…5千~1万円
・友人や知人…3~5千円
また、不祝義袋には「御提灯料」と書きますが、これを「御提灯代」と書いてはいけません。
「〇〇代」というのは代金のこと。
代金は、「代わりのお金」と書きます。
これは何かを貰う代わりに払う対価という意味になりますので、「代」ではなく「料」と書きましょう。
②提灯の出し方と片づけ
お盆は、8月13日(または7月13日)からの4日間が一般的です。
この期間は、亡くなった人の霊が家に帰ってくる日とされています。
お盆には、「迎え火」と「送り火」という行事を行います。
「迎え火」は、故人の霊が帰ってくるとされる13日の夕方から夜にかけて、
故人の霊が迷わずに帰ってこられるよう、お墓や玄関先などで提灯を灯して迎える行事。
初盆の場合には、迎え火を白提灯で行います。
また、お盆の1週間前から前日までには提灯を飾っておきましょう。
「送り火」は、お盆を一緒に過ごした故人の霊を送り出すために、お盆の終わる15日か16日の夕方に提灯に火を灯す行事です。
白提灯は初盆でしか使わないので、この時の送り火で燃やして処分するか、お寺に持って行って処分してもらいましょう。
・まとめ
もう一度、要点を振り返りましょう。
1、初盆には「普通の盆提灯」と「白提灯」を用意する。
2、「普通の盆提灯」は親戚や兄弟、友人知人、誰が贈ってもいいし幾つ飾ってもよい。
3、「白提灯」は故人の家族が用意するのが一般的。
4、最近はスペースの問題から、小さくて良いモノを贈ったり、一対の提灯を折半したりすることが多い。
5、お盆に入る前日には提灯を飾る。
6、白提灯は、初盆が終わったら処分する。
打ち合わせができれば、それが一番ですが、間柄や親戚の人数によっては難しい場合もあるでしょう。
そういうときは、「御提灯料」としてお金を包むのが最良の判断だと思います。
帰ってくる故人にとっても、故人を慕ってくれる人たちにとっても、良いお盆となるよう、しっかりと準備をしましょう!