みなさんは変色したさつまいもや、どうしたらそれを防ぐことが出来るかで頭を抱えた事はないでしょうか?
「何だ、これ?」
以前、さつまいもをカットした瞬間、私の目に飛び込んで来たのは、黒々と変色し、げっそりと食欲を低下させる嫌な断面でした。
その後、綺麗なさつまいもで「天ぷら」や「煮物」を作りましたが、何とそこでも変色が!
今度は所々が緑っぽくなってしまったのです。困ったものです・・・
そこで今回は色々調べて、さつまいもの変色原因と防ぐ方法をまとめてみました。
・何故、さつまいもは変色するか?
・なんで、さつまいもは黒くなるの?
その原因は灰汁(あく)です。
灰汁はポリフェノール、オキシターゼという酵素を含んでいて、それらがカットされたさつまいもと触れ、酸化する事で黒く変色します。
つまり、ポリフェノールとオキシターゼ、酸素で黒い色に変色します。
・どうして、さつまいもは緑に変色するの?
「煮物をすると、さつまいもだけ緑色になっている!なんで?」という声もよく聞きます。
それはクロロゲン酸が原因です。
灰汁(あく)の構成要素ポリフェノールの中にはクロロゲン酸という成分が含まれており、このクロロゲン酸がアルカリ性と反応し、緑へと変化します。
なので、アルカリ性食品や重曹などとサツマイモが一緒になると緑色に変色します。
つまり、クロロゲン酸とアルカリ性食品(重曹なども)で緑色になります。
・その他のさつまいもの変色は何?
「あれ? ちゃんと保存したはずなのに全体が黒っぽくなっている!」
こんな経験を一度はしたことがあると思います。
これは保存の仕方が適切でないため、
さつまいも全体の細胞がドンドン傷ついていくのが原因。
低温障害や、さつまいもそのものが腐り、カビが生えてしまった時に起こる変色です。
さつまいもは適温である13~16度を守れば数か月の保存が可能ですが、それ以下になると細胞が呼吸できず傷んでいきます。
あとカビが生えてしまったものは言わずもがな、異臭や、べたつき、皮の変色、柔らかさなどが尋常ではないのですぐに分かります。
そのときは、素直に食べるのは諦めましょう。
・【超簡単】さつまいもの変色を予防する方法3選
・さつまいもを切ったらまずは素早く調理する
「なんだぁ、当たり前じゃん。」と皆さんに突っ込まれそうですが、
これって出来ていそうで、いろんな準備や段取りに手間取って実は意外とできていない事が多いですよ。
これが酸化を防ぐための一番シンプルな方法。
なるべく早く調理して、さつまいもが空気に触れる時間を出来るだけ短くしましょう。
・さつまいもの皮を厚めに剥く
灰汁(あく)は変色の原因になります。
灰汁の正体であるポリフェノールなどの酵素は、実はさつまいもの皮の近くにたくさん含まれています。
(顔を近づけて、さつまいもの輪切りにした断面をジッと見ると、皮の周辺や近くが黒くなっているあれが酵素。うっすらとブツブツしたのが目印です。)
ですので、皮をちょっと厚めに剥くことで変色を最小限に防ぐことができます。
決して腐っているわけではなく、食べるのには何の支障もないのですが、色がどうしても気になるという方は、皮を厚めに剥きましょう。
・さつまいもを切ったらすかさず水にさらす
水にさらすことで、さつまいもの灰汁(あく)抜きができます。
さつまいものカットした断面を水に浸けると切り口が、酸素に触れないようになり「渋み」や「苦み」を流出させることができ、酸化や変色を防ぐことができます。
やり方を説明します。
まずはボウルに多めの水を用意します。
そこにカットした、さつまいもをドンドン入れていきます。
後はそのまま10分~15分くらい浸け置きします。
すると、その水がだんだんと白く濁ってきますので、それを新しい水へと交換します。
これを水の色が変わらなくなるまで2~3回続けるだけでOK
・水に晒す際の注意点とひと工夫
ここで注意してもらいたいのは、水に長く浸け過ぎてしまうと、さつまいものビタミンやミネラルなどの栄養素が流れ出してしまいます。
そのため、長時間は浸けない様にくれぐれも気を付けて下さいね。
そしてアク抜きにはもう一つのポイントがあります。
それは、さつまいもを入れる水の中に少量の塩やレモン汁、お酢などの酸性の液体を加えるという事です。
塩は一つまみ、レモン汁は小さじぐらい、お酢は2~3滴が私は好きですが、個人の好みで試してみてくださいね。
・まとめ
簡単にまとめると
1、さつまいもの変色の原因はポリフェノールで、それが酸化して「黒」くなる。
2、そのポリフェノール中のクロロゲン酸がアルカリ食品や重曹と反応して「緑」に変色。
3、低温障害やカビによって全体が傷んできて「黒っぽく」なる。
変色は大きく分けてこの3つとなります。
そして「変色を予防する方法」としては
1、とにかく素早く調理
2、さつまいもの皮を厚めに剥く
3、ボウルいっぱいの水に濁りがなくなるまで浸け置き
この3つが今すぐ簡単にできて効果が抜群の方法です。
保存する時は、新聞紙に包んで直射日光を避け、風通しがいいダンボール箱に詰めて
常温で保管します。(冬は低温にならない様に屋内で保管します。)
これで低温障害やカビの発生をある程度は防ぐことができます。
変色を防止して、ぜひ秋の味覚さつまいもを楽しんでくださいね。